健康寿命の延伸をめざし、メタボ予防・ロコモ予防を考えたプロジェクトをNPO法人えひめ高齢者ヘルスプロモーション研究会と愛媛県が協働で事業を行いました。
モデルとなっていただいたのは、西条市と鬼北町。
このプロジェクトのコンセプトとは、少ない関わりでどれだけの人の行動変容が可能か?という事です。


プロジェクトの基本軸
基本的身体測定・体力測定後、動機づけのための講座と運動指導、個別にオススメ運動内容の指導を行い、運動記録カレンダーを配布。毎日体重・歩数・オススメ運動の実施状態を記入していただく。
その後お便りを1回。3か月後にもう一度集まっていただき体力測定やアンケート調査、身体測定を行う。

- 講義・実技指導ともにベテラン指導員の指導
- 実技内容は有酸素運動はエネルギー消費が大きく関節の負担が少ないノルディック・ウオーク体験を。プラスして徹底した足の筋力トレーニング。1度きりの指導なので、たくさんの項目を課題とするのではなく、1つか2つのおみやげ筋トレを指導。(基本的には膝の痛みがない方にはスロースクワットを。膝の痛みがある方には座っての足のトレーニング等個別menu)
- 記録するのが楽しくなるようなカレンダー。筋トレした日は、〝よくできました〟桜マークシールをはる
- この指導の様子を、地域リーダーや保健師さん等住民の健康づくりを支える人が見学・体験


カレンダーをつけるのがとても楽しいことからか、動機づけの指導が良かったからか、カレンダーの記録率は大変高かった。鬼北町も西条市もほぼ同じような記録率の変化。3か月後も多くの方がしっかり記録していただいている事も嬉しいです。どちらかというと、やはりウオーキングの方が継続率が高いですね。




ウオーキングと足のトレーニングを中心に行っていただいたので、足の筋力がついたからか、膝の痛みが改善した方が多いのが特徴です。また血流がよくなっからから、肩こりも改善しています。腰痛もアンケートをとりましたが、多少良くなっていますが膝ほどは効果が出ていません。1度きりの関わりということで、筋力トレーニングはここでは足のトレーニングを重視しました。もう少し関わることができれば、体幹のトレーニングやストレッチなども指導できて、変わってくるかもしれませんね。
体力測定項目では、最も大きく伸びたのが開眼片足立ちでした。

椅子からの立ち上がりの項目も伸びており、足のトレーニング効果がでています。
元々、このようなイベントに参加したい! という方ですので、運動が嫌いではない方で元気な方の集まりということもありますが、素晴らしい結果です。
一方、体重にはあまり有意な変化はあまりせんでした。鬼北町はほとんど差がなく、西条市は3か月で1キロ減でした。
この事業では、元々メタボの方に集まっていただいたのではない事と、栄養指導はしていないということがあります。減量が目的であれば、栄養指導は欠かせません。
しっかり毎日のように運動していただいても、本人に痩せたいという動機がなく、また栄養も気をつけていなければ動いた分だけ食欲も増しますので、結果体重にはあまり変化がないかもしれませんね。ただ、体重そのものにはほとんど変化がなくても筋力がアップしていますので、見た目は引き締まったかもしれません!
この事業の目的は、県民に〝元気〟になっていただく事です。自治体や団体が関わる事業は、一般の運動教室とは違い1度切りとか年に数回のようなかかわり方が多いと思います。そのような少ない関わり方でも、アプローチの仕方や指導方法を考えれば、ある程度結果を出すことができる! という事がわかりました。